●まんがによるまちおこしシンポジウム報告●
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【パネルディスカッション】
「まんがによるまちおこし」
(7)

牧野:ここで、あの方に聞いておきたいことがあるという方、お手をあげてください。

松田:「まんがによるまちおこし事業検討委員会」の松田と申します。今一番商店街でネックになっているのが駐車場の問題だと思うんです。板橋さんから非常におもしろいヒントみたいなものをいただいたんですけど、駐車場のお金についてのことを聞かせてください。

板橋:うちの中心商店街は4つの振興組合と4つの任意商店街の8つで成り立っています。一般的に商店街同士で町の駐車場を契約した場合、隣の商店街の駐車券は使えないというのがほとんど全国そうだと思うんです。ですが、私が石巻商店街理事長をやっていた10年前、それはお客さん本位じゃないということで、各商店街が独自にやっていた無料駐車券を全部統一しました。

 ところが民間駐車場では値段が違います。石巻でいいますと、一番繁盛する所で1時間300円、一番繁盛しない所で150円とか180円、それを商店の人には160円で販売してます。それで駐車場には値段の交渉をして300円のところをなんとか200円にしてくれという恰好で統一し、どこの商店街とか飲食店が出してもそれで通用するようにしてます。

堀:建築士会の堀と申します。板橋さんは、商店街に人を呼ぶというより町全体に対して人を呼んでくるというコンセプトだったということですが、石巻市全体として、この館を開設したことによって市民の人たちのいきいき度というのは上がりましたでしょうか?

板橋:私たちは、地域循環型の経済ってよく言うんですよ。これは石巻市と県と共同で作った資料ですが、商店街じゃなくて地域全体への経済波及効果は26億円と出ています。アンケートでも、土・日は普通の倍以上になった。萬画館ができてお客利用が増えたのが63%、昼間の売上げは倍以上になった、町中を歩く人が増え賑やかになった、という反応が出ています。

 うちにはもっとすごいものがあるんです。200億かけました「サン・ファン・バウティスタ」。これは支倉常長に関連した、要するに伊達政宗が鎖国の時代に木造船で出した、その帆船を復元したミュージアムなんです。宮城県で一番メジャーな施設なんですが、県外に一歩出ると誰も知らない。石ノ森章太郎というのは誰でも知ってる、そういった意味では、自慢できるようになってきました。

牧野:私の方から木下さんに質問したいんですけど、もしも市の中心部にこれほど立派な建物があるという前提で、プロデューサー・木下小夜子が新しく何かを立ち上げるとしたら何を提案されますか?

木下:私はこの街にとても興味を持ったのは、高知は太平洋に面してますよね。いったい坂本龍馬さんはまず自分の事を考えたんだろうか?世界の事を考えて、世界を目標にして、そこから俺は理想を作りたい。それで高知から出ていって、もっと広く求めようとしたと思うんです。そして今、われわれがここにあるんだと思います。だから小さくとらわれないで、まんがっていうのはメディアだから、それを使って何を言いたいかとか、そういうことだと思います。その精神はもうすでに龍馬としてあるわけでしょう? だからそれをどう生かすかっていうことだと思うんです。

 それからあと一つ、この街から誰かが出たとか出るとかじゃなくて、世界を対象に考えたっていいと思うんです。広島の映画祭からデビューした人たち、ディズニーの「トイ・ストーリー」作っている人もそうですし、それから「チキンラン」なんてやってるイギリスの人もそうですし、アカデミー賞とってる人もいっぱいいるんです。やっぱり世界を対象にしてものを考えていけば、誰もが高知っていう所に目を向けてくると思うし、とても存在感が出てくると思う。お金は必ず落ちてる、っていったらおかしいけど、お金を拾いにいったら手に入らない。まず自分がどういうことをしたらいいか、自分の周りで何ができるかって考えて、アイデアそれと方法論、汗、一人ひとりの積極性、それがまちづくりにつながってくるんだ、町がいきいきすればお金も動くんだと思います。

質疑応答
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