●まんがによるまちおこしシンポジウム報告●
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【パネルディスカッション】
「まんがによるまちおこし」
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牧野:続きまして、境港市の水木しげる記念館の現場からのご報告をお願いします。

梅谷陽治

梅谷陽治(水木しげる記念館館長)
水木しげる記念館の梅谷陽治と申します。鳥取県の西、弓状の青松と白い砂が約20キロ続く大変美しい半島の最北端に境港市があります。人口は37,000人程の小さい町ですが、現在は貿易港や空港もあり、環日本海時代において海岸交流では西日本で大変大きな拠点となっております。

 境港市は1989(平成元)年から「緑と文化の町づくり」というテーマで、JR境港駅から商店街がつながる街路を町のシンボルロードとして整備を始めたんです。そうしたら境港市出身の水木しげる先生のまんがのキャラクターを題材として、ブロンズの妖怪オブジェを設置したらどうかと提案がありました。

 この街路を「水木しげるロード」と名前をつけまして、1992(平成4)年度から1994(平成6)年度にかけて約440メートルにわたって妖怪のオブジェ・ブロンズ像を40体設置しました。さらに今年、地元の強い要望がありまして、水木ロードを延長して妖怪オブジェを40体と妖怪のレリーフを設置しました。これで水木ロードは総延長約800メートルになりました。昨年は県内外から約60万人の人が訪れて、合計83体のオブジェを見ながら商店街を歩く観光名所として定着しました。このロードの出現で、地域商店街はたくさんの種類の鬼太郎グッズの販売、また大型店にないようなソフト面の充実など活性化が図られています。

 水木ロードができてから、水木先生の妖怪文化といいますか、妖怪まんがをたたえる記念館をつくったらどうか、そういう声が地元の商店街や市民から出てまいりました。境港市は「水木しげる記念館」をつくることによって、さらに経済の活性化とか商店街の振興を図ろうと、2002(平成14)年に着工したわけです。

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