舞台「La Mère 母」高知公演

事業報告

開催日時2024年(令和6年)
6月1日(土) 13:30開場 14:00開演 15:40終演
会場高知市文化プラザかるぽーと 大ホール
入場者数395名

フランス演劇界を牽引する稀代の劇作家フロリアン・ゼレール。彼の代表作〝家族三部作〟のうち『Le Père 父』(主演:橋爪功)は2019年に、『Le Fils 息子』(主演:岡本圭人)は2021年に、それぞれ高知でも上演され大きな反響を呼びました。そして2024年『Le Fils 息子』の再演と、家族三部作の最後を飾る『La Mère 母』の初上演が決定し、この二作品が同時に上演されました。
『Le Fils 息子』の再演を行うにあたって、主演の岡本圭人さんが「再演って怖いと感じています。自分の中に“初演でやれたんだから再演でも大丈夫でしょ”という根拠のない自信が生まれることが怖いなと。ただ初演を思い出して、それをなぞって再演の舞台を作ってしまうと、その舞台はどこか浅いものになる気がする。それはやっぱり、初演の時みたいにもがき苦しんで生み出したものとは全く違うからです」と語ってくれた言葉が印象的でした。言葉のとおり、初演とは違う印象を受けました。経験からくる落ち着きなのか、共演者と作り上げた信頼関係なのか、それが何かは分かりませんが、演じる姿から自信が垣間見えました。確かに、前作の時と違い、高知入りしてからの雰囲気もリラックスしているように感じました。
公演中、観客の中には、あまりに衝撃的な内容で泣き出す子どもや、途中で席を立つ方もいらっしゃいましたが、それだけ皆様に訴えかけるものが強かったのだと感じています。
『La Mère 母』は、若村麻由美さんが母親役として、家庭から巣立っていった子どもに対する喪失感や更年期の心身の乱れを表現していました。鬱になった方の目線で物語が進行していくため、途中、何が現実で何が妄想か分からなくなる瞬間もありますが、愛の深さと苦悩が満ち溢れていました。
二作同時上演することについて、演じ分ける難しさを想像していましたが、岡本圭人さんが「皆さんもバイトを掛け持ちしたり、何かを両立させることがあるでしょ。それと同じですよ」とさらっと答えてくれたことも印象的でした。
岡本健一さんが、「今作で親子共演は最後にしたい」と話していたように、貴重な鑑賞機会になったのではないかと思います。また、文化庁の劇場・音楽堂等における子供舞台芸術鑑賞体験支援事業の助成を受け、小学1年生から高校3年生までの子供78名に無償で鑑賞する機会を提供できました。


アンケートより
・ステキなストーリーでした。圭人さんのずっと動かないシーンすごい!! 2日間来て良かった。
・昨日に続いて観劇しました。「Le Père 父」を見ていないことに後悔しています。再演願います。
・4人とも素晴らしく高知で見られるクオリティーではないものでした。若村さんの熱演、一生忘れられないと思います。
・同じシーンが繰り返されて頭が混乱しながら見ました。私も息子が大好きで娘は生まれた時から自分とうまくいかなかったので、重なるところがあった。役者さんは、すごい仕事だと実感した。
・昨日の「息子」とは違ったテイストの内容ですごく見応えのある舞台でした。皆さんのプロの演技を体感できて最高に幸せでした。2日連続でこんな素晴らしい演劇を地元で見ることができて嬉しかったです。



子ども無料ご招待

本公演に、小学1年生から高校3年生までのお子様を無料ご招待いたします。
お一人様1枚まで。先着順で上限(20枚)に達し次第、締め切ります。
全席指定席ですが、座席は指定できません。ご了承ください。
※公演日当日、大ホール1階入口の受付にて氏名と年齢が確認できるもの(学生証や保険証など)を提示していただきます。

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ストーリー(STORY)

母アンヌはこれまで自分のすべてを捧げて愛する子どもたちのため、夫のためにと家庭を第一に考えて生きてきた。それはアンヌにとってかけがえのない悦びで至福の時間であった。そして年月が過ぎ、子どもたちは成長して彼女のもとから巣立っていってしまった。息子も娘も、そして今度は夫までも去ろうとしている。家庭という小さな世界の中で、四方八方から逃げ惑う彼女はそこには自分ひとりしかいないことに気づく。母は悪夢の中で幸せだった日々を思い出して心の万華鏡を回し続ける―。

公式サイト・インタビュー動画こちら


※同時上演について
一日に「Le Fils 息子」と「La Mère 母」の2つの公演を行うものではありません。5月31日(金)には「Le Fils 息子」を、6月1日(土)には「La Mère 母」の公演を行い、それぞれチケット代として8,500円が必要となります。


出演(CAST)

若村 麻由美(わかむら まゆみ)

仲代達矢主宰の無名塾養成期間中の1987年に、NHK連続テレビ小説『はっさい先生』のヒロインに選ばれ俳優デビュー。エランドール新人賞をはじめ『金融腐蝕列島 呪縛』で第23回日本アカデミー賞優秀助演女優賞、『チルドレン』で第44回菊田一夫演劇賞、『ザ・空気』『子午線の祀り』で第25回、『Le Père 父』で第27回読売演劇大賞優秀女優賞を受賞。
近年の主な出演作に、【舞台】『ハムレット』(2023年)、『頭痛肩こり樋口一葉』(2022年)、『Le Fils 息子』『首切り王子と愚かな女』(2021年)。【映画】『老後の資金がありません』『科捜研の女ー劇場版―』(2021年)、『みをつくし料理帖』(2020年)。【ドラマ】『科捜研の女 season23』(2023年・EX)、『この素晴らしき世界』(2023年・CX)など。


若村麻由美さんよりコメント

尊敬し信頼するラディスラス・ショラー氏の演出で、世界が注目する劇作家フロリアン・ゼレール氏の家族三部作、全作品に出演させていただくこととなり光栄です。三作品に共通するのは、夫婦とは、親子とは、家族とは。そして人間の永遠のテーマである、生・老・病・死、そして愛と喪失。
三部作は連作ではなく異なる家族の話のようですが、私は『Le Père父』(2019)では娘アンヌ、『Le Fils 息子』(2021,2024)、『La Mère 母』(2024)では妻であり母であるアンヌです。今回のような2作品同時上演では、同じアンヌという名前には、娘、妻、母、女、人間を象徴していて、それは観客のアナタであると感じさせてくれます。作品同士の出来事や同じ台詞がミステリーの面白さを倍増してくれます。
今回日本初演の『La Mère 母』のように子離れをする難しさは万国共通なのかもしれません。日本にも「空の巣症候群」という言葉があるのを初めて知りました。自分の居場所とは。生きる甲斐とは。稽古を前に、再会するメンバーと新たな扉を開けるトキメキでいっぱいです。


岡本 圭人(おかもと けいと)

音楽活動に加え、バラエティ・舞台・TVドラマ・ラジオ・CMなどマルチに活躍。2018年から2020年まで、アメリカ最古の名門演劇学校であるアメリカン・アカデミー・オブ・ドラマティック・アーツへ留学。卒業後、『Le Fils 息子』(2021年)でストレートプレイ初舞台・初主演を飾る。
近年の主な出演作に、【舞台】『チョコレートドーナツ』『ハムレット』(2023年)、『4000マイルズ~旅立ちの時~』『盗まれた電撃-パーシー・ジャクソン ミュージカルー』『M.バタフライ』(2022年)、『Le Fils 息子』(2021年)、【ドラマ】『大奥Season2』(2023年・NHK)、『リズム』(2023年・CX)、『育休刑事』(2023年・NHK)など。


岡本圭人さんよりコメント

『Le Fils 息子』初演時に、観に来ていた友人の言葉が、今でも耳に残っています。
「この舞台を上演してくれてありがとう。本当に観られてよかった。救われたよ。」
この言葉を聞いたとき、途端に涙が流れました。今までの人生が報われたような気がしました。そして新たに、役者としての自覚が芽生え、舞台に来てくださる皆様に「何か」を感じていただけるために、「今後の人生を歩み続けよう」と切に思いました。
『Le Fils 息子』の再演、そして新たに『La Mère 母』の同時上演が決まったと聞いたとき、心から喜びを感じました。ですが今は、役者としての使命感に駆られています。
一人でも多くの方々を救えるように、信頼するキャスト・スタッフの皆様と共に、稽古を重ね、フロリアン・ゼレールの2作品を皆様に届けられる日を心待ちにしています。


伊勢 佳世(いせ かよ)

大学在学中に劇団俳優座養成所に入所。2008年より前川知大主宰のイキウメに参加、以降退団までほぼ全ての作品に出演。劇団公演のみならず外部公演にも多数出演するほか、映像作品やナレーションでも活躍。
近年の主な出演作に、【舞台】『Q:A Night At The Kabuki』『腹黒弁天町』(2022年)、『ダウト~疑いについての寓話』『Le Fils 息子』『父と暮せば』(2021年)。【映画】『HIEROPHANIE/ヒエロファニー』『劇場版 美しい彼~eternal~』『玉と婦人。』(2023年)。【ドラマ】『心霊内科医 稲生知性』(2023年・CX)、『美しい彼 シーズン2』(2023年・MBS/TBS)など。


岡本 健一(おかもと けんいち)

1985年、ドラマ『サーティーン・ボーイ』(TBS)で俳優デビュー、1988年に男闘呼組として歌手デビュー。以降、舞台を中心にドラマ・映画など幅広く活躍。2010年から『恋人』『地獄のオルフェウス』など演出も手掛ける。『岸 リトラル』『ヘンリー五世』で第26回読売演劇大賞最優秀男優賞、『海辺のカフカ』『終夜』で第45回菊田一夫演劇賞、『リチャード二世』で第55回紀伊国屋演劇賞と第71回芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。
近年の主な出演作に、【舞台】『尺には尺を』『終わりよければすべてよし』(2023年)、『建築家とアッシリア皇帝』『ラヴ・レターズ』『グレイクリスマス』『ロッキー・ホラー・ショー』(2022年)。【ドラマ】『悦ちゃん』(2017年・NHK)、『真田丸』(2016年・NHK)、『ラギッド!』(2015年・NHK‐BSプレミアム)など。


岡本健一さんよりコメント

『Le Fils 息子』が再演されます。
2021年に台本を初めて読んだ時に感じた、とてつもない苦しみと、どうすることも出来ない哀しみが、信頼する演出家、役者、スタッフと稽古を重ねることによって日に日に具現化されていき、劇場では物語に引き込まれ、演じているのか何なのかわからなくなり、ただ存在した事実だけが残っていたことを思い出します。あのような辛い思いは、もう「体験したくない」というのが正直な気持ちでした。
けれども、この親子の物語をより多くの方々に観劇して貰うことが、どれだけ大切なのかも実感しています。
同時に上演する新作『La Mère 母』が描く世界には、愛の始まりから長い年月を経て、いつの間にか愛情があふれ出して、あらゆる方向に流れ、その思いをどのように受け入れて、消えゆく時間をどのように過ごしたら良いのか、限りない愛の行方を彷徨い、どこまでも巡らせてしまう作品です。
これからの稽古で、予想もつかない感情が生まれることを楽しみにしています。
この特別な二作品は、観た方の感情を揺さぶる、とてつもなく凄い作品になることを確信していますので、是非、劇場で観て感じて欲しいと心から願っています。
劇場でお待ちしています。


日時2024年(令和6年)
6月1日(土) 13:30開場 14:00開演 15:40終演予定(途中休憩はありません)
会場高知市文化プラザかるぽーと 大ホール
(大ホール座席表)
入場料全席指定
 前売り 一般8,500円 U-23シート4,500円
 当 日 一般9,000円 U-23シート5,000円  
 ※未就学児の入場はご遠慮ください
 ※前売券完売の場合、当日券の販売はありません
チケット発売日3月23日(土)午前10時から販売開始!
チケット販売所・ローソンチケット(Lコード62060)
・チケットぴあ(セブン-イレブン/Pコード524-650)
・高知市文化プラザかるぽーとミュージアムショップ(088-883-5052)
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フロリアン・ゼレール
翻訳齋藤敦子
演出ラディスラス・ショラー
企画制作東京芸術劇場
助成文化庁 劇場・音楽堂等における子供舞台芸術鑑賞体験支援事業
主催公益財団法人高知市文化振興事業団、KUTVテレビ高知
後援在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ
お問い合わせ公益財団法人高知市文化振興事業団 088-883-5071