第88期高知市民の大学

事業報告


開催期間火曜日:2020年10月6日~2021年1月26日
金曜日:2020年10月2日~2021年1月22日
会場高知市文化プラザかるぽーと 中央公民館11階 大講義室
参加者コース受講生:火曜日26名・金曜日30名、1日受講:84名

火曜日 総合コース「食の安全性」

市場には産地を問わず、様々な生鮮食品や加工食品が流通しており、私たちの食生活も多様化しています。しかし、健康や日々の活動において重要な役割を占める「食」の安全について正しい知識を持っていると言えるでしょうか。

本コースでは、なぜ「食」の安全性を確保することが必要なのか、食品が生産・加工され、流通するうえでどういった努力や工夫がなされているのか、何が「食の安全」なのかなどを、生産者や行政、栄養学などさまざまな観点で講義していただきました。

講義ではどういった基準で食品の安全性が決められているかや、日頃摂取する食事の栄養バランスがなぜ重要なのか、安全な食品を生産する上で重要なことなどについてそれぞれの立場から詳しくお話しいただき、何気なく口にしている食物がいかに多くの人の努力によって作られ、支えられているかを知ることができました。


金曜日 社会科学コース「障がい児・者の生活を通して地域福祉のあり方を共に考える」

障がいやジェンダーに左右されない、格差のない社会づくりが提唱されて短くない年月が経っていますが、理想とする形にはまだまだほど遠いのが現状です。   

本コースでは、その中でも障がいを持つ人が地域でどうやって生活をしているかの実情を通して、現在の地域福祉の実態や、地域福祉はどうあるべきか、どうあってほしいのかを受講生と共に考える講座となりました。

講義は、コーディネーターの田中きよむ教授の地域福祉の現状研究や法整備についてのイントロダクションで始まり、障がいを持つ人がどうやって生きてきて、何に悩んだか。それを解決するために必要なことはなにかを、それぞれの障がいとかかわる方々にお話しいただき、最後に高知県における障がい福祉に何が足りず、何をすべきなのかを複数の講師に討論していただきました。講義中には実際に悩みを持つ受講生や、福祉に興味のある学生から熱心な質問が投げかけられ、講義終了後も熱心に語り合う姿が見受けられました。


今回の市民の大学は新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、定員の縮小や、講師への質問方法の検討、県外講師や医療関係の講師のインターネットを活用した遠隔講義など、様々な対策をとりながらの開催となりましたが、講師の先生方や受講生の協力を得て、無事終了することができました。



※新型コロナウイルス感染症の予防対策について
チラシ(PDF)に詳細を記載しています。必ずお読みください。マスクの着用や受講生同士の間隔の確保など、皆さまのご理解・ご協力をお願いいたします。


21世紀に入り、世界も日本も大きな曲がり角に来ているように思われます。拡大から縮小へ、競争から共存へ、社会も私たちの生活も大きく変わりつつあり、新しい価値観も生まれてきています。しかし一方では、これらの変化には惑わされずに、数千年の人類の歴史を貫く価値観も厳然として存在しています。私たちは社会の変化を知り、これに対応する必要に迫られる一方で、時間と空間を超えた不変の真理にも心を惹かれます。
創設以来44年、県下における生涯学習のパイオニアである「高知市民の大学」は、「食品」や「経済」といった生活に密着した問題と、「宇宙」や「心」のような、いわば「不易」な問題をバランスよく取りあげて、毎回多くの市民の皆様に受講していただいております。大学外や県外からも魅力ある講師をお招きするのも本大学の特徴です。
夕べのひと時、共に学び、共に考えませんか? 知の刺激は心地よいものです。


在学期間2020年10月2日(金)~2021年1月26日(火)
場所 高知市文化プラザかるぽーと11階 高知市立中央公民館 大講義室
曜日と時間火曜日 総合コース  18:30~20:00
金曜日 総合コース  18:30~20:00  
募集人員 各コース 50名(先着順)
授業料 1コース 2,800円(テキスト代500円を含む)
両コース一括 4,800円(テキスト代1,000円を含む)
※定員に余裕がある場合は1日だけの受講も可能 各回500円
 ただし、当日のお申し込みは座席の空席状況によってはお断りする場合がありますので、事前にお電話でお問い合わせください。
 (感染症予防対策として定員を縮小しています)
お申し込み・
お問い合わせ
2020年9月1日(火)から高知市文化プラザかるぽーと8階 高知市文化振興事業団で受け付け。
(月曜休館、ただし月曜日が祝日・振替休日に当たる場合は開館)
〒781-9529 高知市九反田2-1 高知市文化振興事業団 市民の大学 係
TEL:088-883-5071
その他・講義の課程は下記のとおりですが、講師の都合、天候等のやむをえない事情で予定を変更することがあります。
・受講期間中は新型コロナウイルス感染症の予防対策を実施します。
・新型コロナウイルス感染の状況によっては休講または開催期間中であっても残りの日程を中止する場合があります。
後援高知新聞社・RKC高知放送
主催高知市民の大学運営委員会(委員長 高知大学名誉教授 岩田 裕)
公益財団法人高知市文化振興事業団
高知市教育委員会

火曜日・総合コース
「食の安全性」

【日程・テーマ・講師一覧】 ★講師名(一部)に所属先等のページのリンクを貼っています

10月6日 食品の安全確保の必要性と理由
高知県立大学健康栄養学部教授 渡邊 浩幸
10月13日 生活習慣病予防のための健康な食事-情報過多の時代の中で-
高知県立大学健康栄養学部准教授 荒牧 礼子
10月20日 食の安全に関わる検査
高知県立大学健康栄養学部教授 小林 淳
10月27日 災害時の食の安全
高知県立大学健康栄養学部講師 廣内 智子
11月10日 食物アレルギーの基礎知識
高知県立大学健康栄養学部准教授 鈴木 麻希子
11月17日 安全・安心な食を求めて-NPO法人「土といのち」の活動を振り返って-
高知大学名誉教授 丸井 一郎
11月24日 食の安全確保と行政の役割
高知県健康政策部 食品・衛生課長 松岡 哲也
12月1日 高知県下の有機農業の発展の軌跡
夢産地とさやま開発公社 事務局長
高知県有機農業研究会 理事 山本 優作      
12月8日 牛乳の品質管理-製造技術と保存技術-
高知大学農林海洋科学部教授 島村 智子
12月15日 現代の「農業の工業化」とエコロジー農業の担い手
九州大学名誉教授
国民の食糧と健康を守る運動愛媛県連絡会会長 村田 武
12月22日 食品保存と食品添加物-嫌われ者の食品添加物をよく知ろう-
高知大学農林海洋科学部教授 柏木 丈拡
1月5日 不健康をもたらす安全な食品
高知大学農林海洋科学部教授 久保田 賢
1月12日 TPP新協定(TPP11)と食の安全
高知大学名誉教授 岩田 裕
1月19日 食品に関する基準値のからくり
高知県立大学地域教育研究センター教授 一色 健司
1月26日 地球規模の化学物質汚染と農薬問題を考える
愛媛大学沿岸環境科学研究センター准教授 野見山 桂

金曜日・総合コース
「障がい児・者の生活を通して地域福祉のあり方を共に考える」

【日程・テーマ・講師一覧】  ★ 講師名(一部)に所属先等のページのリンクを貼っています

10月2日 全世代型社会保障改革をめぐる動向
高知県立大学社会福祉学部教授 田中 きよむ 
10月9日 地域共生社会と四国各地域における地域福祉の動向
高知県立大学社会福祉学部教授 田中 きよむ
10月16日 障がい者権利条約と障がい者福祉
高知県立大学社会福祉学部教授 田中 きよむ
10月23日 高次脳機能障がいの概念と地域生活支援・家族支援(1)
南国中央病院副院長 宮本 寛
10月30日 高次脳機能障がいの概念と地域生活支援・家族支援(2)
南国中央病院副院長 宮本 寛
11月6日 重度心身障がい児の子育て-いくつもの障がいをもって生まれた娘と共に生きた15 年間-
NPO法人みらい予想図 理事長 山﨑 理恵
11月20日 重度の障がいのある児者とその家族を支える地域支援
NPO法人みらい予想図 理事長 山﨑 理恵
11月27日 ひきこもりの支援-本人の輝きを大切にした支援-
高知県立精神保健福祉センター所長 山﨑 正雄
12月4日 隠れた障がいへの支援-子育てと大人の発達障がい-
高知県立精神保健福祉センター所長 山﨑 正雄
12月11日 みんなで協同子育て!-気になるお子さんとの肯定的な関わり方(1)
TOMOはうす代表・特別支援教育士 久武 夕希子
12月18日 みんなで協同子育て!-気になるお子さんとの肯定的な関わり方(2)
TOMOはうす代表・特別支援教育士 久武 夕希子
12月25日 障がい者から見た障がい者雇用
高知県立療育福祉センター主幹 吉岡 邦廣    
1月8日 知的障がい者の方たちと共に歩む立場から-知的障がいって何だろう-
社会福祉法人昭和会 理事長 山﨑 隆
1月15日 知的障がい者の方たちと共に歩む立場から-知的障がい者の生活とその支援を考える-
社会福祉法人昭和会 理事長 山﨑 隆
1月22日 総合討論-高知県における障がい福祉の現状と課題-
複数講師